
6/20(土)より五番蔵奥のギャラリーにて「NOREN」という展示を行います。
BIBLIOTECAのお店がある五番蔵の入り口に掛かる暖簾をテーマにしました。
メイキング映像と、いくつかの道具を並べたささやかな内容ですが、この暖簾がどのような手仕事と技術を経て形になったのか。その背景に触れていただける内容となっております。
こちらではギャラリーで流している映像の背景についてより深く書かせていただこうと思います。
五番蔵の暖簾は三枚仕立て。
中央にロゴを配したシンプルなデザインですが、その一枚にはBIBLIOTECAらしいものづくりの考え方が込められています。
光をやわらかく透かし、風を受けて揺れるその姿は、町家の静かな空気や庭の緑とも自然に溶け合います。

実はこの暖簾、布ではなくニットでつくられています。
BIBLIOTECAはニットファクトリーから生まれたブランドです。
洋服をつくるなかで培ってきた編みの技術や素材開発の積み重ねを、衣服という枠を超えて表現できないだろうか。
五番蔵という場所が生まれたとき、そんな発想から暖簾の製作が始まりました。
暖簾は空間と人をつなぐ境界であり、その場所の顔にもなる存在です。
だからこそ既製の布ではなく、自分たちの手で編み上げたテキスタイルでつくりたいと考えました。
企画は京都で、製作は奈良・御所市の工場で。
洋服と同じように、暖簾もまたデザインから編み組織の設計、仕上げに至るまで数多くの工程を重ねながら形になっていきます。


今回採用したのは「インターシャ袋JQ」という編み組織。
複雑な構造ではありませんが、透け感や軽やかさを表現するために何度も試作を繰り返しました。
光が差し込んだときの見え方。
風が吹いたときの揺れ方。
空間の中でどのように存在するか。
暖簾は単なるサインではなく、一枚のテキスタイルとして設計されています。


工場では何本もの糸が編み機へと送り込まれ、デジタルデータをもとに一段ずつ編み上げられていきます。
規則正しく動く機械のなかで、糸が面となり、やがて暖簾という形になって現れる。
その光景には、工業製品とも工芸とも少し異なる、ニットならではの魅力があります。


編み上がった生地は蒸気をあてて整え、幅出しを行い、ヒートプレスで表情を整えていきます。
職人たちは数値だけではなく、生地の張りや風合いにも目を向けながら仕上げを進めます。
完成した暖簾は京都へと送られ、五番蔵の入り口に掛けられます。
葛城山の麓にある工場の周辺には、鳥の声が響き、季節ごとに風景が移ろいます。
日々新しいニットテキスタイルの開発が行われるその場所で生まれた一枚の暖簾。
五番蔵を訪れた際には、空間の一部としてだけでなく、BIBLIOTECAのクリエイションのひとつとしても眺めていただけたら嬉しく思います。
